コンテンポラリージンとは|ジュニパーを前に出さないジンの区分
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最終更新 2026-10-22
コンテンポラリージンは、柑橘や花、ハーブ、スパイスなど、ジュニパー以外のボタニカルを前に出したジンを指す呼び方です。法令で決まった区分ではなく、EUの蒸溜酒規則がジンとして定めるのは「ジン」「蒸溜ジン」「ロンドン・ジン」の3区分で、米国の連邦規則にもこの区分はありません。
このサイトの収録では、805製品をコンテンポラリーに分類しています。スタイル別で最も多く、収録全体の52%にあたります。
早見表
| 呼び方 | 法令上の区分 | 指すもの | このサイトの収録 |
|---|---|---|---|
| コンテンポラリー | なし | ジュニパー以外のボタニカルを前に出したジン | 805製品 |
| ロンドン・ドライ | EU規則の区分22 | 蒸溜だけで香りをつけたジン | 244製品 |
| ジャパニーズ | なし | 和素材を使う日本のジン(このサイトの分類) | 168製品 |
| ネイビー・ストレングス | なし | アルコール分を高くしたジン | 48製品 |
| ニューウエスタン | なし | 2006年に米国で名付けられた呼び方 | 29製品 |
法令にある区分
EU規則2019/787の付属書Iは蒸溜酒を44区分に分け、ジュニパーを使うものとして「ジュニパー風味の蒸溜酒」(区分19、最低アルコール分30%)と、「ジン」「蒸溜ジン」「ロンドン・ジン」(区分20〜22、同37.5%)を定めています。区分20〜22はどれもジュニパーの香味が主体であることが条件で、コンテンポラリーやニューウエスタンにあたる区分はありません。
米国の連邦規則(27 CFR 5.144)は、ジンを主な特徴となる香味をジュニパーベリーから得た蒸溜酒とし、瓶詰め時のアルコール分を40%以上と定めています。蒸溜または再蒸溜で造ったジンに付けられる語は「distilled」「Dry」「London」「Old Tom」で、コンテンポラリーは規定にありません。日本の酒税法にはジンという品目がなく、エキス分2度未満なら「スピリッツ」、糖類などを加えて2度以上なら「リキュール」に当たります。
資料によって違う線の引き方
品評会のThe Gin Guide Awardsは、コンテンポラリー部門を「目立つジュニパーに、伝統的でないボタニカルや香味を合わせたジン」と説明しています。評価サイトのThe GIN is INは「ジュニパー以外の何かが主な香味になっているジン」とし、産地や製法とは関係のない、味の印象を指す語だとしています。
前者はジュニパーが目立つことを前提にし、後者は主役でないことを条件にしています。ただしEU市場で「ジン」と名乗る製品は、どちらの意味でも「ジュニパーの香味が主体」という条件を満たす必要があります。
ニューウエスタンという呼び方
ニューウエスタン(New Western Dry)は、バーテンダーのライアン・マガリアンが、蒸溜家のクリスチャン・クログスタッドと2006年にアビエーション ジンを立ち上げた際に名付けた語です。VinePairの2020年の記事で、マガリアンはワインの「ニューワールド」をもじった語で、産地を示す意図はなかったと話しています。Difford's Guideはこの語を「ゆるい呼び方」とし、例にアビエーションやヘンドリックスを挙げています。
このサイトではニューウエスタンをコンテンポラリーと別に数えており、29製品のうち13製品がアメリカの蒸溜所のものです。
このサイトの収録で見るコンテンポラリー
805製品は、74か国・504蒸溜所の製品です。蒸溜所の所在国で数えると、イギリス122、アメリカ89、オーストラリア77、南アフリカ44、ドイツ42、日本40の順で、最も多いイギリスでも15%です。ロンドン・ドライは244製品のうち101製品(41%)がイギリスの蒸溜所のものです。
アルコール分の記録はコンテンポラリーの665製品、ロンドン・ドライの222製品にあります。蒸溜所の創業年が分かるコンテンポラリー752製品のうち、589製品(78%)は2010年以降に創業した蒸溜所の製品です。年代別の内訳はクラフトジンとはにあります。
製品の例では、モンキー47(ドイツ)について、ペルノ・リカール・ジャパンは2019年11月の発表で、ドイツのシュヴァルツヴァルトに2008年に開設された蒸溜所で、47種のボタニカルを使って造るジンと説明しています。ザ・ボタニスト(イギリス・アイラ島)はアイラ島で摘んだ22種の野生のボタニカルを、Gin Mare(スペイン)はローズマリー、バジル、タイムの香りを、それぞれのブランドが特徴に挙げています。
買うときに見るところ
- 「コンテンポラリー」はラベルの法定表示ではありません。日本で売られるジンの品目表示は「スピリッツ」か、エキス分2度以上なら「リキュール」です。
- 「London Dry Gin」の表示は、EU規則上、蒸溜だけで香りをつけ、蒸溜後に香味料や着色料を加えていないことを示します。適用されるのはEU市場で売られる製品と、EU域内で造られて輸出される製品です(ロンドンドライジンとは)。
- 「Distilled Gin」は、EU規則上、蒸溜後に香味料で香りを足すことも認められた区分です。
- 何が前に出ているかは、ブランドが公表するボタニカルで確かめます(ボタニカル図鑑)。
- 同じ銘柄でも国によって度数が違うことがあります。日本経済新聞電子版(2024年11月15日)によると、サントリーのROKU〈六〉は国内向けが47%、海外向けが43%です。
出典
- EU規則2019/787 付属書I https://www.legislation.gov.uk/eur/2019/787/annex/I/adopted
- EU規則2019/787 第1条 https://www.legislation.gov.uk/eur/2019/787/article/1/adopted
- 27 CFR 5.144 Gin https://www.law.cornell.edu/cfr/text/27/5.144
- 国税庁「酒税法における酒類の分類及び定義」 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/01/01.pdf
- The Gin Guide https://www.theginguide.com/awards-categories.html
- The GIN is IN https://theginisin.com/styles/
- VinePair(2020年7月30日) https://vinepair.com/articles/best-new-western-dry-gin-guide/
- Difford's Guide https://www.diffordsguide.com/g/1108/gin/new-western-dry-gins
- ペルノ・リカール・ジャパン(PR TIMES、2019年11月29日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000004201.html
- The Botanist 公式 https://www.thebotanist.com/
- Gin Mare 公式 https://www.ginmare.com/
- 日本経済新聞電子版(2024年11月15日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC129QT0S4A111C2000000/
この記事に出てくる銘柄
読んだあとの一本
家で試すなら
- 割り材フィーバーツリー トニックジン1にトニック3。4分の3はトニックなので、味の大半はここで決まる。Amazonで探す ↗ 広告
- カクテル材料ジュニパーベリー実をひと粒つぶして嗅いでみてください。ジンの芯の香りはこれです。Amazonで探す ↗ 広告
- 本クラフトジンの本ジュニパーのほかに何を使うか。蒸溜所ごとにずいぶん違います。Amazonで探す ↗ 広告
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よくある質問
- コンテンポラリージンとロンドンドライジンの違いは何ですか?
- ロンドン・ドライ(ロンドン・ジン)はEU規則2019/787の区分22で、香りを蒸溜だけでつけ、蒸溜後に香味料や着色料を加えないことなどが定められています。コンテンポラリーは法令上の区分ではなく、ジュニパー以外のボタニカルを前に出したジンを指す呼び方です。前者は製法の区分、後者は味の傾向の呼び方で、決めている軸が違います。
- ニューウエスタンジンとコンテンポラリージンは同じものですか?
- どちらも法令上の区分ではなく、ジュニパーを控えてほかのボタニカルを前に出したジンを指す呼び方です。ニューウエスタンは、2006年にアビエーション ジンを共同で立ち上げたバーテンダーのライアン・マガリアンが名付けた語で、本人は産地を示す意図はなかったと話しています。このサイトでは別のページで数えており、収録はコンテンポラリー805製品、ニューウエスタン29製品です。
- コンテンポラリージンにもジュニパーは使われていますか?
- EU規則2019/787は、ジン・蒸溜ジン・ロンドン・ジンのいずれにもジュニパーの香味が主体であることを求めています。米国の連邦規則(27 CFR 5.144)も、ジンの主な特徴となる香味をジュニパーベリーから得ることを定めています。これらの市場で「ジン」として売られる製品は、コンテンポラリーと呼ばれるものでもジュニパーで香りをつけています。






