ジンの保存方法|開封後・冷凍庫・賞味期限表示がない理由
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最終更新 2026-09-29
ジンを含む酒類は、食品表示基準で賞味期限・消費期限の表示を省略できる食品とされており、期限が書かれていないボトルがあるのはこのためです。保管はキャップを閉めて直射日光の当たらない場所に置くのが基本で、アルコール分40%のジンなら凝固点は約−23℃のため、−18℃の家庭用冷凍室に入れても液体のままです。
早見表
エタノールと水の混合液の凝固点を、家庭用冷凍室の目安である−18℃と比べると次のようになります。
| アルコール分(体積%) | 凝固点の目安 | −18℃の冷凍室では |
|---|---|---|
| 10% | 約−4℃ | 凝固点を下回り、凍り始める |
| 20% | 約−9℃ | 凝固点を下回り、凍り始める |
| 30% | 約−15℃ | 凝固点を下回り、凍り始める |
| 40% | 約−23℃ | 凝固点より高く、液体のまま |
| 50% | 約−32℃ | 凝固点より高く、液体のまま |
数値はエタノールと水だけの混合液の値です。糖分や植物由来の成分を含む製品では、凝固点が変わります。
賞味期限の表示がない理由
食品表示基準第3条第3項は、消費期限または賞味期限の表示を省略できる食品として、でん粉・チューインガム・砂糖・食塩などと並べて酒類を挙げています。酒類は、酒税法でアルコール分1度以上の飲料と定義されています。国税庁の「食品表示法における酒類の表示のQ&A」も、酒類は「保存の方法」「消費期限又は賞味期限」などの表示を省略できると説明しています。ラベルに期限や保存方法が書かれていない製品があるのは、この扱いによるものです。表示を省略できるのは法令上の扱いであり、保管の仕方は別に考える必要があります。
アルコール度数と凍る温度の関係
水の凝固点は0℃、エタノールの凝固点は約−114℃です。水にエタノールが溶けると凝固点が下がり(凝固点降下)、エタノールの割合が高いほど凝固点は低くなります。ジンはEUの規則で最低アルコール分37.5%と定められています。アルコール分40%の混合液の凝固点は約−23℃で、家庭用冷蔵庫の冷凍室(JISのスリースター・フォースター表示で平均冷凍負荷温度−18℃以下)に入れても液体のままです。下限の37.5%は30%(約−15℃)と40%(約−23℃)の間にあたるため、度数が下限に近い製品や、冷凍室の温度が低めの場合は、凝固点との差が小さくなります。度数が10〜30%の酒類は、−18℃では凝固点を下回ります。ウォッカもEUの規則で最低アルコール分37.5%とされており、同じ考え方があてはまります(参考:ジンとウォッカの違い)。
直射日光と保管場所
スコッチウイスキー協会(SWA)は、ウイスキーはワインと違って瓶の中で熟成しないこと、直射日光を避けて保管すれば開封後も劣化しないことを説明しています。この説明はウイスキーを対象にしたものですが、同じ蒸溜酒のジンを保管するときも、直射日光の当たる窓際などを避けて置くのが目安になります。
開封後の保管
開封したボトルについても、SWAはウイスキーについて、直射日光を避ければ劣化しないと説明しています。ジンについての説明ではないため、ここでは目安として紹介します。キャップをしっかり閉め、直射日光の当たらない場所に置くことが、家庭でできる基本的な管理です。
買うときに見るところ
ボトルのラベルからは、次のことが確認できます。
- アルコール分は、酒類業組合法(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律)第86条の5と同法施行令第8条の3で表示が義務づけられています。度数が37.5%に近いほど、凝固点と−18℃の差は小さくなります。
- 消費期限・賞味期限と保存方法は、食品表示基準で表示を省略できる事項です。記載の有無は製品ごとに異なります。
- スロー・ジンは、EUの規則で最低アルコール分25%とされ、ジンの37.5%より下限が低い区分です。エタノールと水の混合液では20%で約−9℃、30%で約−15℃なので、度数が25%前後の製品は−18℃で凍り始める可能性があります。副原料を含む製品では、実際の凝固点が変わります。
- ネイビー・ストレングスのように度数の高いスタイルは、同じ理屈でさらに凍結しにくくなります。
出典
- 国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」: https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/01.htm (本文PDF: https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/sakeqa/3007.pdf)
- 食品表示基準(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/427M60000002010
- 酒税法(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000006
- 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000007
- 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行令(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/328CO0000000028
- Regulation (EU) 2019/787 附属書I(ジン・ウォッカ・スロー・ジンの最低アルコール分): https://www.legislation.gov.uk/eur/2019/787/annex/I/adopted
- Scotch Whisky Association「FAQs」: https://www.scotch-whisky.org.uk/discover-scotch/faqs/
- The Engineering ToolBox「Ethanol Water Mixtures - Freezing Points」: https://www.engineeringtoolbox.com/ethanol-water-d_989.html
- Wikipedia「Ethanol」(融点データ): https://en.wikipedia.org/wiki/Ethanol
- Wikipedia「Freezing-point depression」: https://en.wikipedia.org/wiki/Freezing-point_depression
- Wikipedia(日本語版)「冷凍庫」: https://ja.wikipedia.org/wiki/冷凍庫
読んだあとの一本
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よくある質問
- ジンに賞味期限が書かれていないのはなぜですか?
- 食品表示基準第3条第3項で、酒類は消費期限・賞味期限の表示を省略できる食品とされているためです。酒類は酒税法でアルコール分1度以上の飲料と定義されており、国税庁も「食品表示法における酒類の表示のQ&A」でこの扱いを説明しています。
- ジンを冷凍庫に入れても凍りませんか?
- アルコール分40%の場合、エタノールと水の混合液の凝固点は約−23℃で、−18℃の冷凍室では液体のままです。ジンはEUの規則で最低アルコール分37.5%とされており、下限に近い製品や冷凍室の温度が低めの場合は、凝固点との差が小さくなります。度数が10〜30%の酒類は、−18℃で凍り始めます。
- 開封後のジンはどう保存すればよいですか?
- キャップをしっかり閉め、直射日光の当たらない場所に置くのが基本です。スコッチウイスキー協会は、直射日光を避ければ開封後もウイスキーは劣化しないと説明しています。ジンについての説明ではありませんが、同じ蒸溜酒を保管するときの目安になります。





