スロージンとは|スローベリーと最低アルコール分25%の規定
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最終更新 2026-09-29
スロージンは、ブラックソーンという低木の果実スロー(スローベリー)をジンに漬け込んで造るリキュールです。EUと英国の規則は、スロージンを名乗るための最低アルコール分を25%と定めています。
早見表
| 区分 | 規則(EU)2019/787附属書Iのカテゴリー番号 | 最低アルコール分 | ベースの酒 | 主な要件 |
|---|---|---|---|---|
| ジン | 20 | 37.5% | 農産物由来のエチルアルコール | ジュニパーの味が主体 |
| リキュール(一般) | 33 | 15% | 農産物由来のエチルアルコール・蒸留物、または蒸留酒 | 加糖1Lあたり70〜100g以上(種類による) |
| スロージン | 35 | 25% | ジン | スローを漬け込む。香味づけは天然の香味物質と香味製剤のみ |
| スロー風味のスピリッツ飲料(パチャラン) | 32 | 25% | 農産物由来のエチルアルコール(ジンではない) | スロー125g/L以上・アニスの天然エキスまたは蒸留物を加える・加糖80〜250g/L |
数値は、英国政府の法令データベースlegislation.gov.ukに掲載された規則(EU)2019/787附属書I(制定時の版)によります。
スローとはどんな果実か
スロー(sloe)は、バラ科サクラ属の低木ブラックソーン(学名Prunus spinosa)につく果実です。種が1つの直径10〜12ミリメートルの核果で、黒い果皮に紫がかった青色のろう質の粉(ブルーム)をまといます。ブラックソーンはヨーロッパと西アジアを原産とし、北西アフリカの一部にも自生します。イギリスでは伝統的に、初霜のあとの10月から11月に収穫します。スローはスロージンのほか、スペイン・ナバラ地方のパチャラン、イタリアのバルニョリーノにも使われています。
EUと英国の規則における定義
規則(EU)2019/787附属書Iのカテゴリー35は、スロージンを「スローをジンに漬け込んで造るリキュールで、スロー果汁を加えることもできる」と定義しています。最低アルコール分は25%で、香味づけに使えるのは天然の香味物質と香味製剤だけです。法定名称には「liqueur(リキュール)」の語を添えてもよいとされています。
ジンそのものの最低アルコール分は37.5%、リキュール一般は15%です。スロージンの25%は、その間に置かれた基準です。
造り方:蒸留せず漬け込む
スロージンは、できあがったジンにスローを漬け込んで造ります。伝統的な方法では、熟したスローの実に1粒ずつ穴を開けます。穴を開ける道具には、その実がなっていたブラックソーンの棘を使うのが昔ながらのやり方です。広口の瓶の半分までスローを入れ、スロー1英パイント(570ミリリットル)あたり4オンス(110グラム)の砂糖を加えてジンを注ぎ、密閉して冷暗所に置きます。最初の2週間は毎日、その後は少なくとも3か月が経つまで週に一度、瓶を返して中身を混ぜます。時間をかけて漬けると、アルコールがスローの種からアーモンドに似た香りを引き出すと説明されています。
ジン自体の造り方はジンの造り方で扱っています。規則上、スロージンはカテゴリー20「ジン」とは別のカテゴリー35に置かれ、定義の文言でリキュールとされています。
パチャランなど、隣接するスロー風味の酒との違い
規則(EU)2019/787附属書Iのカテゴリー32「スロー風味のスピリッツ飲料またはパチャラン」は、スローの味が主体の蒸留酒です。スローを農産物由来のエチルアルコールに漬け込み、アニスの天然エキスまたはアニスの蒸留物を加えて造り、ベースはジンではありません。最低アルコール分はスロージンと同じ25%で、最終製品1リットルあたりスロー果実を125グラム以上使うこと、糖分を1リットルあたり80〜250グラムにすることが定められています。色と香味はスローとアニスだけに由来するものでなければなりません。
「パチャラン」を法定名称として使えるのは、スペインで造った製品だけです。スペイン以外で造る場合、「パチャラン」は法定名称「スロー風味のスピリッツ飲料」に添える形でしか使えず、「produced in …」に続けて生産国名を示す必要があります。
同じく甘口のジン系の酒にオールドトムジンがあります。オールドトムジンは規則上専用の区分を持たず、EU・英国で「ジン」として売るならカテゴリー20(または21・22)の要件に従います。スロージンはそれとは別のカテゴリー35で、規則が定義の段階でリキュールとしています。
買うときに見るところ
ラベルの名称が「Sloe Gin」か、「Sloe-aromatised spirit drink」や「Pacharán」かで、ベースの酒とカテゴリーが分かれます。EU・英国で流通する製品なら、スロージンを名乗る以上、アルコール分は25%以上です。名称に「Liqueur」の語が添えられているかどうかは任意で、あるなしでカテゴリーは変わりません。
当サイトのスロージンのページに該当銘柄をまとめています。
出典
読んだあとの一本
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よくある質問
- スロージンとは何ですか。
- ブラックソーンという低木の果実スロー(スローベリー)をジンに漬け込んで造るリキュールで、伝統的な造り方では砂糖も加えます。EUと英国の規則(規則(EU)2019/787附属書Iのカテゴリー35)は、スロージンを名乗るための最低アルコール分を25%と定めています。
- スロージンの度数はどれくらいですか。
- EUと英国の規則では最低アルコール分25%が要件です。ベースに使うジンの最低アルコール分37.5%より低く、リキュール一般の最低15%より高い基準です。
- スローベリーとはどんな果実ですか。
- バラ科サクラ属の低木ブラックソーン(学名Prunus spinosa)の果実で、直径10〜12ミリメートル、黒い果皮に紫がかった青色のブルームをまとう核果です。ヨーロッパと西アジアを原産とし、イギリスでは初霜のあと、10月から11月に収穫するのが伝統です。




