緑茶・玉露を使うジンとは|蒸溜所の一覧(ボタニカル図鑑)
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最終更新 2026-10-22
このサイトの収録では、主要ボタニカル欄に緑茶系の茶(緑茶・煎茶・玉露・抹茶・ほうじ茶)を挙げているジン蒸溜所は日本が最も多く、ほかにオーストラリア、アメリカ、アイルランド、中国にあります。メーカーの公表では、ROKU〈六〉が煎茶と玉露、季の美 京都ドライジンが玉露、SAKURAO GIN ORIGINALが緑茶をボタニカルに挙げ、サントリージン翠は味わいの説明に緑茶を挙げています。
件数で見ると、ジン蒸溜所のうち22件が主要ボタニカル欄に緑茶系の茶を挙げており、17件が日本、残る5件はオーストラリアの2件と、アメリカ、アイルランド、中国の各1件です。一覧は、各蒸溜所の主要ボタニカル欄に緑茶系の茶の名前があるものを機械的に抜き出したもので、香りや味の評価は行いません。件数は収録データから数えたものです。
早見表
蒸溜所名はこのサイトの表記です。創業年はこのサイトの登録値で、事業者そのものの創業年ではなく、ジンの蒸溜所を開いた年やジンの製造を始めた年が入っているものもあります。「—」は登録がないことを示します。
| 蒸溜所 | 国 | スタイル | 創業年 |
|---|---|---|---|
| サントリー(ROKU) | 日本 | ジャパニーズ | 2017 |
| エツ | 日本 | ジャパニーズ | — |
| サントリー翠 | 日本 | ジャパニーズ | 2020 |
| セトウチディスティラリー(三宅本店) | 日本 | ジャパニーズ | 2020 |
| ブルーラビット | 日本 | ジャパニーズ | — |
| マルス津貫 | 日本 | ジャパニーズ | 2016 |
| 伊勢萬 | 日本 | ジャパニーズ | — |
| 黄桜 丹波 | 日本 | ジャパニーズ | 2018 |
| 海峡 | 日本 | ジャパニーズ | 2017 |
| 喜多屋 | 日本 | ジャパニーズ | — |
| 京都(季の美) | 日本 | ジャパニーズ | 2016 |
| 京都みやこ | 日本 | ジャパニーズ | — |
| 桜尾 | 日本 | ジャパニーズ | 2018 |
| 松井酒造(白兎ジン) | 日本 | ジャパニーズ | 2018 |
| 清洲桜醸造 | 日本 | ジャパニーズ | — |
| 朝倉(篠崎) | 日本 | ジャパニーズ | 2021 |
| 天雀ジン | 日本 | ジャパニーズ | 2012 |
| ヴェイパーディスティラリー(ボルダースピリッツ) | アメリカ | ニューウエスタン | 2007 |
| ゴアロン(高龍酒業) | 中国 | コンテンポラリー | 2017 |
| ドラムシャンボーガンパウダー | アイルランド | コンテンポラリー | 2014 |
| プロヒビションリカーカンパニー | オーストラリア | コンテンポラリー | 2015 |
| ヤングヘンリーズ | オーストラリア | コンテンポラリー | 2012 |
緑茶の種類
農林水産省の広報誌aff(2022年4月号)は、緑茶、紅茶、烏龍茶は基本的に同じ種類の茶樹の葉から作られ、発酵させずに作るのが緑茶だと説明しています。同じ記事は、この茶樹を「チャノキ(学名:カメリアシネンシス)」と書いています。この一覧に出てくる茶の作り方を、農林水産省の説明でまとめると次のとおりです。
| 茶 | 作り方 |
|---|---|
| 煎茶 | 新芽を蒸して揉み、乾燥させる |
| 玉露 | 収穫前に被覆資材で茶園を20日程度覆い、新芽を蒸して揉み、乾燥させる |
| 碾茶 | 茶園を2〜3週間程度覆い、摘んだ茶葉を蒸して、揉まずに乾燥させる |
| 抹茶 | 碾茶を石臼などで挽く |
| ほうじ茶 | 番茶や煎茶などを焙じる |
抹茶については、農研機構が2022年4月、定義と特性をまとめた技術報告書 ISO/TR 21380:2022 がISOから発行されたと発表しています。
22件の記載の内訳は次のとおりです。
- 「緑茶」(ガンパウダー緑茶、センチャ緑茶を含む): 12件
- 「煎茶」だけ(センチャ煎茶を含む): 2件
- 「煎茶」と「玉露」の両方: 2件(ROKU、喜多屋)
- 「玉露」だけ(八女玉露を含む): 2件
- 「抹茶」(宇治抹茶を含む): 3件
- 「ほうじ茶」: 1件(伊勢萬の「伊勢茶(ほうじ茶)」)
「お茶」「茶葉」「日本茶」のように茶の種類が書かれていない記載、猿島茶・加賀棒茶・阿波晩茶のように産地名で書かれた茶、紅茶や烏龍茶の記載は、抽出の条件に入れていません。
国とスタイル
このサイトが収録する日本のジン蒸溜所は93件で、そのうち17件が緑茶系を挙げています。日本国外の5件の記載は、ドラムシャンボーガンパウダーが「ガンパウダー緑茶」、ヴェイパーディスティラリーが「センチャ煎茶」、ヤングヘンリーズが「センチャ緑茶」、プロヒビションリカーカンパニーとゴアロンが「緑茶」です。スタイルはジャパニーズが17件、コンテンポラリーが4件、ニューウエスタンが1件です。創業年の登録がある16件のうち11件は登録年が2016年以降で、最も古い登録はヴェイパーディスティラリーの2007年です。
一緒に記載されるボタニカル
22件の主要ボタニカル欄で緑茶系と並んで書かれている植物を、蒸溜所単位で数えました。ジュニパーとジュニパーベリー、生姜とジンジャー、シナモンとカシアはそれぞれ一つにまとめています。
| ボタニカル | 蒸溜所数 |
|---|---|
| ジュニパーベリー | 19 |
| コリアンダー | 15 |
| 柚子 | 13 |
| 山椒(四川山椒を含む) | 9 |
| 生姜 | 7 |
| アンジェリカ | 5 |
| シナモン・カシア | 5 |
緑茶系と柚子の両方を挙げる13件は、日本の蒸溜所が13件で、すべてです。緑茶系と山椒の両方を挙げる9件は、日本の8件と中国のゴアロンです。主要ボタニカル欄は各蒸溜所の代表的な素材をまとめた欄で、使っている植物のすべてではありません。山椒は山椒のページ、柚子は柚子のページにまとめています。
メーカーが公表している例
- ROKU〈六〉: サントリースピリッツの2017年5月9日の発表によると、桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子の6種の和素材と8種の伝統的なボタニカルを使い、発売時の度数は47%、容量は700mlです。
- サントリージン翠(SUI): 2024年12月3日のリニューアルの発表では、度数40%、容量700mlです。サントリーは味わいを「柚子の爽やかな香りや緑茶のうまみ」などと説明しています。
- 季の美 京都ドライジン: ペルノ・リカール・ジャパンは、京都産の柚子、玉露、山椒など11種類のボタニカルを使うと説明し、度数45度、容量700mlとしています。季の美ブランドの「季のTEA 京都ドライジン」(45度、700ml)は、京都府宇治市で明治12年に創業した茶舗、堀井七茗園と組んだ製品で、玉露と碾茶を使うと説明しています。
- SAKURAO GIN ORIGINAL: サクラオブルワリーアンドディスティラリーは、ボタニカルの一つに広島県府中市の緑茶を挙げ、あえて荒茶を使うと説明しています。
- エツ ダブル ユズ ジン: ブランドの公式サイト(フランス語)は、ボタニカルに柚子、ジュニパーベリー、コリアンダーシードなどとともに抹茶を挙げています。
- ドラムシャンボー ガンパウダー アイリッシュジン: 製造元のザ・シェッドディスティラリーは、中国のガンパウダーティーを使うと説明しています。
22蒸溜所に紐づく製品は、このサイトに53件収録しています。そのうち製品名に茶の名前(TEA、Gunpowder の表記を含む)が入っているものは4件です。
買うときに見るところ
- 国税庁の「食品表示法における酒類の表示のQ&A」によると、食品表示基準では酒類に原材料名の表示義務がありません。裏ラベルに茶の名前がなくても、使っていないとは限らないため、メーカーや輸入元の説明で確かめます。
- ドラムシャンボーの製品名にある「Gunpowder」は、原料に使う中国のガンパウダーティーを指します。
- 季の美 京都ドライジンと季のTEA 京都ドライジンはどちらも45度・700mlです。製品名の「TEA」の有無で見分けます。
- 「翠」の名前は、瓶のジンのほかに缶入りの翠ジンソーダにも使われています。2024年12月の発表では、缶は度数7%で350mlと500mlがあり、瓶(40%、700ml)とは別の商品です。
- ROKU〈六〉の数量限定品「SAKURA BLOOM EDITION」(2026年2月10日発売)は43%で、700mlと200mlがあります。サントリーはこの発表でも、6種の和素材に煎茶と玉露を挙げています。
出典
- 農林水産省 aff 2022年4月号「味わいや香りもさまざまなお茶の種類」: https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2204/spe1_03.html
- 農林水産省 消費者相談「緑茶の種類について教えてください。」: https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1404/01.html
- 農研機構「抹茶の定義に関する技術報告書がISOより発行」(2022年4月14日): https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/152224.html
- サントリースピリッツ「ジャパニーズクラフトジン『ROKU』新発売」(2017年5月9日、日本経済新聞掲載のリリース): https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP444467_Z00C17A5000000/
- サントリーホールディングス「ROKU〈六〉SAKURA BLOOM EDITION」(2025年12月16日、PR TIMES): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001440.000042435.html
- サントリーホールディングス「サントリージン『翠(SUI)』ブランド リニューアル新発売」(2024年12月3日、PR TIMES): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001194.000042435.html
- ペルノ・リカール・ジャパン「季の美 京都ドライジン」が京都府亀岡市に蒸溜所を新設(2025年9月30日、PR TIMES): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000363.000004201.html
- ペルノ・リカール・ジャパン 季の美のポップアップバーに関する発表(2026年5月13日、PR TIMES): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000385.000004201.html
- サクラオブルワリーアンドディスティラリー「ボタニカル」: https://www.sakuraobd.co.jp/botanical/
- ETSU Gin「Etsu Double Yuzu」: https://etsugin.com/gins-japonais/etsu-double-yuzu/
- The Shed Distillery「Drumshanbo Gunpowder Irish Gin」: https://www.thesheddistillery.com/our-creations/drumshanbo-gunpowder-irish-gin/
- 国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」(平成30年7月): https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/sakeqa/3007.pdf
この記事に出てくる銘柄
読んだあとの一本
家で試すなら
- 割り材フィーバーツリー トニックジン1にトニック3。4分の3はトニックなので、味の大半はここで決まる。Amazonで探す ↗ 広告
- カクテル材料ジュニパーベリー実をひと粒つぶして嗅いでみてください。ジンの芯の香りはこれです。Amazonで探す ↗ 広告
- 本クラフトジンの本ジュニパーのほかに何を使うか。蒸溜所ごとにずいぶん違います。Amazonで探す ↗ 広告
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よくある質問
- 緑茶を使ったジンにはどんな銘柄がありますか?
- メーカーが公表している例では、ROKU〈六〉(煎茶と玉露)、季の美 京都ドライジン(玉露)、SAKURAO GIN ORIGINAL(広島県府中市の緑茶)があります。サントリージン翠は、味わいを「柚子の爽やかな香りや緑茶のうまみ」などと説明しています。このサイトの収録では、主要ボタニカル欄に緑茶系を挙げるジン蒸溜所は22件で、うち17件が日本です。
- 玉露と煎茶の違いは何ですか?
- 農林水産省の説明では、煎茶は新芽を蒸して揉み、乾燥させて作ります。玉露は収穫前に被覆資材で茶園を20日程度覆って育てた新芽を、同じように蒸して揉み、乾燥させます。このサイトの収録では、玉露を挙げるジン蒸溜所は4件、煎茶を挙げる蒸溜所も4件で、ROKU(サントリー)と喜多屋は両方を挙げています。
- 抹茶を使ったジンはありますか?
- このサイトの収録では、主要ボタニカル欄に抹茶を挙げる蒸溜所は清洲桜醸造、黄桜 丹波、京都みやこの3件です。製品では、エツ ダブル ユズ ジンのボタニカルに抹茶が入っていると、ブランドの公式サイトが説明しています。抹茶は、覆いをして育てた茶葉を揉まずに乾燥させた碾茶を、石臼などで挽いたものです(農林水産省)。










